この芸能は、各地の地域住民のグループによって、伝統的な文化として代々受け継がれており、多種多様な形態があります。
神々の面をつけて、格式ある日本神話の物語を演じる“神楽”。威嚇的な鬼の面をつけて勇壮に踊る“鬼剣舞”。牛や鹿や龍など、様々な動物の特徴をもつ異形の獣の姿で踊る“しし踊り”。
これらの芸能の多くは、神、鬼、獣などの人間以外のものに扮して演じることが大きな特徴となっており、その精神性の原点は、いにしえの時代のシャーマンやアニミズムにまで遡ることができると考えられます。
「祈りの中に」
岩手の人々は、歴史的に、災害や飢饉などの苦難を繰り返し経験しながら生きてきました。死者の鎮魂、命の誕生や再生、常にそのような祈りとともにありました。
人の生と死の考え方において、日本の一般的な宗教である仏教と神道の考え方におさまらない、土地の風土に育まれた独自の思想を見ることができます。
岩手では、多くの山が聖域とされ、信仰の対象となっています。また、人の霊魂は山へ帰り、ふたたび山から降りてくるものとの考え方があります。
このような信仰や死生観は、仏教や神道が伝わる以前から、日本で何万年も続けられていた原始の祈りの形とも考えられます。
「暮らしの中に」
岩手の気候は、一年の半分が冬の厳しい寒さに覆われます。長く暗い世界で、どう生きていくかは、どう食べていくかと同義でもありました。そのため、この厳しい気候で生き抜くために培ってきた暮らしの知恵が、郷土食や保存食という文化を生み出しました。
稲作が伝わってからは、稲は食として欠かせないものであり、稲自体を人々は神聖視するようになりました。伝統的な工芸品である藁細工は、暮らしの道具であるとともに、“願掛け”の道具でもありました。神聖な稲から作られた藁は特殊な力を宿らせているため、藁を素材としてもちいることに意味があったのです。
岩手の人々は、次の世代に命を繋いでいくことを願い、暮らしの中で五穀豊穣の儀式や風習をたくさん作り出してきました。近代化にともない、これらの儀式や風習は失われつつありますが、岩手には、自然とともに生きる暮らしを守る人々が、今でも少なからずいます。
Tour Information
#01
馬と生きる
- 所要時間
- 5時間
- シーズン
- 春〜秋
- 場所
- 遠野
- 日数
- 1
- 定員
- 1-10
- ツアーの特徴
-
- 馬産地・遠野。生活や生業に欠かせなかった馬と人の関係
- 五穀豊穣を祈る儀式や神の乗り物としての馬
- 馬とともにリラックスした時間を過ごす
#02
異界との共生
- 所要時間
- 1日
- シーズン
- 春〜秋
- 場所
- 遠野
- 日数
- 1
- 定員
- 1-10
- ツアーの特徴
-
- 現代の猟師たちと1日一緒に過ごし、山や動物と対峙する姿勢を追体験
- ジビエ料理を共に準備して恵をいただく
- 遠野物語にも登場する伝説の狩人が生きた山
#03
土地に息づく食と暮らし
- 所要時間
- 2〜5時間
- シーズン
- すべての季節
- 場所
- 八幡平
- 日数
- 1
- 定員
- 1-8
- ツアーの特徴
-
- 産直で旬の食材(山菜・キノコ・野菜・そば・山葡萄ほか)などの大地の恵みを味わう
- 木造100年の家に住む地域住民の方の暮らしに触れる
- 地元でのオススメの食べ方を教わり、そこに住んでいるかのような感覚で、大自然の景色の中でゆっくり過ごす
- 農家、山菜・キノコ名人、蔓皮細工職人、木工職人、マタギ、自然ガイドほか、地域の方の人柄や生き様、来し方行く末を感じる話を聞く
#04
祈りの表現
- 所要時間
- 3時間
- シーズン
- すべての季節
- 場所
- 遠野
- 日数
- 1
- 定員
- 1-10
- ツアーの特徴
-
- 祈りの表現である郷土芸能の真髄を学ぶ
- しし踊りの鑑賞・舞の体験を通して動物目線で人間の世界と対峙し、自然や動物に対する深い信仰心を体で感じる
- 心の奥底を揺さぶる太鼓と音色を体で感じる
#05
震災と向き合う
- 所要時間
- 5時間
- シーズン
- すべての季節
- 場所
- 釜石
- 日数
- 1
- 定員
- 1-10
- ツアーの特徴
-
- 大きな震災を経験した釜石エリアの漁師の姿を追う
- 沿岸エリアで生きることのさだめと、そこに暮らし続ける意味を聞く
- 地元漁師と海鮮料理を楽しむ
お問い合わせと予約
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