Iwate, the Last Frontier

NORTHERN WILDS

北方の霧をまといたる越境の審判

「山」

岩手の大地は、その大半を山地が占めており、岩手の中央を流れる大河をはさんで、二つの大きな山脈があります。

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西に連なるのは奥羽山脈で、火山が列状に分布しているのが特徴です。奥羽山脈には、岩手の最高峰である岩手山があります。岩手山の誕生は約30万年前と考えられ、誕生以降から現在にいたるまで歴史的に噴火活動を繰り返している、生きた火山です。約300年前には岩手山から溶岩が流出し、これが固まったことで、部分的に独特の景観をつくり出しました。一方、奥羽山脈では、火山の熱によって温泉が多く湧き出しており、麓に生きる人々に恵みを与えてもいます。

東のほう、太平洋に向かって雄大に広がるのは北上山地で、岩手の三分の二の面積がそこに含まれています。北上山地には1,000メートルを越す山々が60以上あり、その最高峰は早池峰山です。北上山地はとても古い地層から成り立っており、奥羽山脈とは対象的に火山がありません。また、北上山地は鉄や金などの資源に恵まれており、砂鉄と豊富な木材資源をもとに“たたら製鉄”が盛んに行われた歴史を有しています。

岩手の山々は、落葉広葉樹の森で覆われており、主な樹種はミズナラ・クリ・コナラ・トチ・クルミ・カエデ・ブナなどです。落葉広葉樹の森の恵みは、豊かに実る木の実、山菜やキノコ、鹿、猪、熊などの大型哺乳類、サケ、マスなどの魚類など、とても多彩です。その恵みは、縄文時代より1万年以上の長きにわたって岩手の人々のいのちをつないできました。

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「海」

岩手県の東側は太平洋に面しており、三陸海岸と呼ばれる海岸線が約670キロの長さで続いています。

三陸海岸は、北部地域と南部地域で地形的な違いが見られ、南部地域は沈降海岸の特徴を示すリアス海岸が広がり、北部地域は隆起海岸で切り立った断崖が連なります。

三陸海岸の沖合では、北海道から南下する寒流の千島海流(親潮)と、太平洋を北上する暖流の日本海流(黒潮)がぶつかり合って複雑な潮境を形成しており、古来から有数の漁場として知られています。沿岸には漁港が多数あり、海上では定置網漁が営まれ、また、リアス海岸となっている南部地域の湾内ではカキ、ホタテ、ワカメ等の養殖が営まれています。

三陸の海は、豊かな魚介の恵みを人々にもたらす一方で、時に大いなる災いをもたらす存在でもありました。三陸海岸では、周期的に大きな津波が発生し、海沿いの町が破壊され、多くの人々の命や財産が一瞬で失われる大災害が繰り返されてきました。近代から現代に至るまでも、三陸海岸の町は大きな津波に4回襲われています。

しかしながら、そのような脅威と隣り合わせにありながらも、岩手の人々は、縄文時代から何千年もの長きにわたってこの海とともに生き続けてきました。三陸海岸では、縄文時代の集落跡や貝塚などの遺跡が多数見つかっており、中には、現在も人々が暮らす集落と縄文時代の遺跡が一体となった集落などもあります。

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「獣」

深い山々に覆われた岩手は、獣たちが跋扈する野生の大地でもあります。岩手には、様々な野生哺乳類が生息しており、古来より人と共存を続けてきました。

大型野生哺乳類であり、森林生態系の頂点に立つツキノワグマは、岩手のほぼ全域に生息しており、日本の中でも非常に大きな個体が見られます。大型野生草食哺乳類であるニホンジカは、岩手が本州北限の分布とされており、岩手で特に繁栄している野生動物でもあります。日本固有の種として国の特別天然記念物に指定されているニホンカモシカも、岩手のほぼ全域に生息しています。その他、ニホンザル、ニホンイノシシ、ホンドキツネ、ホンドタヌキ、ニホンアナグマ、ホンドテン、ムササビ、モモンガ、ニホンリス、ノウサギなどが生息しています。かつては、ニホンオオカミ、ニホンカワウソも生息していましたが、乱獲や駆除により絶滅しました。

縄文時代より、岩手に暮らす人々にとってこのような野生動物たちは、肉、毛皮などの生活に欠かせない自然の恵みでありました。しかしながら、近代以降、このような野生動物たちは田畑や家畜を荒らす害獣として扱われることも多く、現代においてさらに人里への出没が増加しており、社会問題ともなっています。人と獣の共存のあり方が、いま問われています。

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Tour Information

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#01

白銀世界を歩く

所要時間
3.5時間
シーズン
場所
八幡平
日数
1
定員
1-15
ツアーの特徴
  • 雪を踏みしめて白銀に広がる世界をスノーシューハイキング
  • 冬の澄んだ空気の中歩く、ブナ林または氷瀑のコース
  • この地に住まう動物の足跡を観察
  • スノーシューのレンタル込み

#02

海と石のトレッキング

所要時間
4時間
シーズン
すべての季節
場所
釜石
日数
1
定員
1-10
ツアーの特徴
  • 御箱崎は、手付かずの自然が残る雄大な海岸で、巨大な奇岩が敷き詰められたような千畳敷がある
  • みちのく潮風トレイルをトレッキング(片道3.2km)
  • 人間と巨石の旅を通して地球からの声に耳を傾ける
  • 壮大な千畳敷岩の台地をよじ登り、息をのむような美しい景色を一望する

#03

早池峰お山かけ

Duration
6時間
シーズン
場所
遠野
日数
2
定員
1-10
ツアーの特徴
  • お山かけは、集落の若者が集落の安全等を願い、早池峰神社から山頂を目指して登った行事
  • 岩手で2番目に高い霊峰・早池峰山(1,917m)。古くから修行の場であり信仰の対象として崇められてきた山
  • 山登りの前に、神楽の奉納、登山の携帯食づくりなど昔の習わしを体験する

#04

自然とつながる

Duration
1
シーズン
春〜秋
場所
八幡平
日数
1
定員
1-10
ツアーの特徴
  • 自然の中に身を置き、心・体・魂のゆらめきのセンサー、すべてとつながる感覚を取り戻す旅
  • 本州で一番早く紅葉が始まる見所や真夏でも涼しさを味わえるスポット(八幡平・五色沼・焼走り・森の大橋・七滝・玄武岩・安比ブナ林と草原・不動の滝・岩屋不動社など)から、時期やニーズに合わせて行き先を選択
  • 焼走り溶岩流は岩手最高峰の活火山の中腹に見られる300年前に噴火したマグマの流れ跡。別の惑星にいるような感覚で、空と地と自分の存在を体感する
  • ブナの森と1000年草原をゆったりと歩きながら、春は裸足でアーシング・秋は落ち葉のベッドに寝そべる等、その場その瞬間に感覚を解放する

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