フィールドワーク2023 第1回エミシ – 縄文とアイヌのはざま-

May 28, 2023

Iwate, the Last Frontierでは、昨年に引き続き、私たちがフィールドとする岩手の中心軸となるような要素・場所を実際に訪れ、思考を巡らせるフィールドワークを予定しています。今年も一緒に旅をする仲間を各回募集いたします。

第1回目のテーマ「エミシ – 縄文とアイヌのはざま」

エミシ – 縄文とアイヌのはざま-

西を奥羽山脈、東を北上山地に囲まれ、”ヒタカミ（日高見）”の国と呼ばれたこの岩手の地で、約1200年前に大和朝廷の侵略を数十年に渡って食い止めた勇猛なる民族「エミシ」（蝦夷）たち。日本の歴史書では“まつろわぬ民”として、わずかな記録に留まる、この “忘れられた民族の語られぬ歴史”を紐解く。

日本という国家形成の歴史の大きなうねりに飲み込まれてきた、東北の「エミシ」。

縄文から連なる狩猟採集民族の末裔ともいわれ、アイヌの誕生と重なり合う古代東北の先住民族としても伝わります。

しかしながら、その実態はいまだに多くの謎に包まれております。

それは、日本民族とアイヌ民族の形成について密接に関わる壮大なテーマともいえます。

「エミシ」とは何ものか。

彼らが大切にしていたもの、守りたかったものは何か。

エミシについて考えることは、東北人とは何ものか、ひいては日本人とは何ものかを問うことにつながります。

このフィールドワークでは、わずかに残されたその痕跡を辿りながら、私たちのアイデンティティについて考えを巡らせていきます。

フィールドワーク先

・エミシの大地を望む～ヒタカミの国へ～@国見山大悲閣

・エミシの戦跡を辿る～アテルイの里へ～@奥州市埋蔵文化財調査センター、胆沢城跡、達谷窟

・エミシの信仰に迫る～アラハバキの神～@毘沙門天、丹内山神社

日時

インプットトーク：2023年6月30日（金）19:00～20:30　＠オンライン

フィールドワーク：2023年7月8日（土）～7月9日（日）の2日間

フィールドワークスケジュール

Day 1

9：00 北上駅/展勝地駐車場集合

9：15～12：00 エミシの大地を望む～ヒタカミの国へ～（国見山大悲閣※軽い山登りを含みます）

12：00～13：00 昼食

13：30 エミシの戦跡を辿る～アテルイの里へ～（奥州市埋蔵文化財調査センター、胆沢城跡、達谷窟）

17：30 夕食＠縁日（岩手で獲れた鹿肉・熊肉、鮎などのジビエ料理）

20：00 ホテルフォルクローロ花巻東和〜日高見の霊湯・東和温泉〜（宿泊）

Day 2

9：00 ホテル出発

9：30 エミシの信仰に迫る～アラハバキの神～（毘沙門天、丹内山神社）

11：00 昼食（※山野草を採集して調理します）

13：30 振り返り・まとめ

15：00 北上駅/展勝地駐車場解散

昨年の参加者のご感想

●岩手県に住んでいながらほとんどの場所が、初めて訪れる場所でした。解説があることで、神社や仏閣の歴史の裏側にある歴史には書き残されてはいない意味などを、深く知ることができた。インプットトークや日ごとの振り返りなどで、他の参加者の考え方や、見方などを広く聞くことができた。2日目の野花を摘み取って調理し、参加者同士が協力するなど、体験として忘れがたいものになったように思う。

●私自身が感じていた「東北生まれ、岩手生まれ」ということへの劣等感のようなものを覆すような価値があると思う。「都会＝いい場所、田舎＝かっこ悪い」みたいな価値観をひっくり返してほしい。

●雄大な自然のなかで自分たちのアイデンティティを考えてきた岩手という土地。新しい文化とネイティブスピリットの境目で生き抜くことの意味を考えさせられるフィールドワークでした。文化・土地・人…はっきりと浮かび上がらない過去にまで思考を巡らすことで、私たちが未来に強く生き抜いていくための編集点が見つかるかもしれないと思いました。